きみのために棘を生やすの


あのひとがほしい――。彩瀬まる、窪美澄、千早茜、花房観音、宮木あや子が、「略奪愛」をテーマに紡いだ書き下ろし恋愛官能小説集。 


アンソロとしてのテーマにはそんなに惹かれなかったんだけど、
一生ついていくと決めている彩瀬さんが書いてたので。

彩瀬さんの「かわいいごっこ」、すばらしくよかったです。
優しいけれど将来性のない、優柔不断なパートナーと同棲する女性が、
押し付けられた文鳥を通して自分の「愛情」に対する価値観に揺れる話。

もうねー、このひとの書くもの、活字ぜんぶ丸のみしたいくらい好き。
言語センスもそうだし、うら寂しい中にぽっと灯る希望の余韻が。
読後感がすごくいいんだよね。
ところでわたし、倉科さんみたいな男の人嫌いじゃないです・・・よ(*ꆤ.̫ꆤ*)


あと宮木あや子さんの「蛇瓜とルチル」も面白かった。
役者の卵の若い美少年にしか食指の動かない女の人の話なのかなと思って
読んでたら、そっかこれ「略奪愛」かー、と。

結局、【ネタバレ】主人公が友衛に対して抱いてたのは恋じゃなかったんかね。
共依存というほどがんじがらめじゃないけども、友衛が自力で脱皮しなかったら
そうなっていたんだろうかって思うとそれも読んでみたかったなって 【ネタバレ終り】

TV番組の衣装さんという職業のディティールもすごく面白かった。
『校閲ガール』とか『憧憬☆カトマンズ』(このタイトルすごいなw)は
バリバリお仕事小説みたいなんでこれも読んでみたい。


校閲ガール
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星か獣になる季節 (単行本)


ぼくのアイドルは殺人犯!? 推しの地下アイドル・愛野真美が逮捕されたというネットの噂から平凡な高校生・山城の日常はデスペレートに加速しはじめる――。


最果タヒ 『星か獣になる季節』読了。

この読みづらい文体は意図的な演出なのか、それとも、単にわたしが
ニューエイジが操る新世代の文体についていけなくなったのか微妙なところ。
西尾維新の文体すら苦手とするわたしにはちと辛かった。

ストーリー的には特に目新しさはないんだけども、
(強いて言えばあそこまでブっとんだ思考の森下という人間について
読み手が納得するような理由が何も語られないのがすごい)

この人が書く物語においては殺人というのは大した意味はなく、
17歳の高校生という時期がいかに救いがない狂乱の季節であるか、
というただそれだけを強調するのに殺人が起こってるようなところがあるので
タイトルがすべてというか、タイトルの付け方が見事だなあと。

この人の「平凡」というものに対する異常な怖れは一体なんなんだろうな。
今の若い人にしてはめずらしいほどのガツガツした印象というか。

アイデンティティがぎらぎらしてるのに妙に冷めてるというかダウナーな文章は
読みにくいんだけど妙に癖になるような感じがあるので、詩のほうも読んでみようか。






http://www.cottage-keibunsha.com/events/3182/

ワークショップ第1回目、参加してきました。
 復習がてらの自分用メモ。


【ワークショップのテーマ・目的など。福永さんのお話】

・まず、本のこと。誰に読まれることがなくても本は本である。物体として残るものであるということ。

・ワークショップのテーマのひとつとして、コストかけない、出来るだけお金はかけないということ。本を作っていると、参考になるもの(本)が欲しくなるからそっちにお金を取られる、自分で作る本は出来るだけコストを抑える。

・本のいいところは、人柄とは関係なく、出来た本そのものの魅力。
作った本人には興味がない人でも、作った本には興味を感じることがある。
作った本人を超えることがある。

・作った本を全部売る!500部完売する!!

・デザイン・たたずまいは大事だけれど、長く手許に置いてもらえるかは中身にかかっている。デザインは仲村さんがいるから大丈夫!

・ワークショップは年内に計6回行う。ざっくりしたスケジュール。1月にゲラチェック?2月印刷、3月納品


【そして唐突に始まる試練】

福永さん「じゃあ、書いてみましょうか、テーマは『本屋』で200字。
 制限時間は内緒です。

!!!!(꒪⌓꒪)!?!?

 それまでののんびりとした雰囲気から一転、参加者に緊張が走る。

・電子的なデバイスで書く。
・お話を描く。タイトルは「本屋」
・本名で書いてみる。
・200字

事前の注意事項として「ノートPC持参がのぞましいが、なくてもなんとかなります」ということだったんで、ノートを所持してない私はルーズリーフと筆記用具で行ったんだけど、これ、かなりキツかった。書いたり消したりしていると、字数把握が出来ないし、iPhoneの入力は苦手だしで。
次からは外付けキーボード持っていきます( θωθ)

そして、書いている間にもどんどんと話は進み、いつ「はいそこまで」って言われるかわかんないし、かなりの緊張状態で書いたものは、自分でもひどい出来。
本当はここに晒すべきなんだろうけど、 それも憚られるひどさ。

以下、反省点。
・まず、テーマが「本屋」ということで、おそらくみんな本屋を舞台にした小説とか、思い出にまつわるエッセイなどを書くと思った。
テーマに沿ったアンソロジーを読んでいると、だいたい1つか2つ毛色の違ったものとか「なんだこれ」というものが入っていることが多いので、全体構成としてそういうのが一つあってもいいんじゃないかと。

・で、じゃあ一見して本屋がテーマとはわからないけど何か仕掛けがあってそれに気づくとわかる、みたいなのはどうだろうと思い、行頭を読むと「本屋のものがたり」になるよう、書き出しの頭を決めた。

・ただ、メールでそれを仲村さんに送ってその場でレイアウトをしてもらうということだったんで、行頭がそろえられるのかどうかわからず、じゃあ鍵括弧で会話形式にしようかな、と思った。

・思いついたはいいけど、それを短時間でまとめるアイディアが浮かばず、結局支離滅裂なものに。身の丈に見合わないことをしてはいけないということを身に沁みて感じたよね・・・。

結局「ハイここまで」というふうに時間は切られず、どうもおおよその提出が終わるまで待っていただいたような気が・・・。


【仲村さんのぶっつけレイアウトライブ】

参加者が書いたものを仲村さん宛に送信し、それを仲村さんがぶっつけでレイアウトを組み、編集ソフトで編集していく。魔法を見てるみたいでした。すげえ・・・・(꒪⌓꒪)



【参加者持参の「好きな本」紹介コーナー】

事前のメールで「好きな本を一冊持ってきてください」とのことだったので、私は酉島伝法さんの『皆勤の徒』を。7/21に文庫になるよ!(*ꆤ.̫ꆤ*)

皆勤の徒 (創元日本SF叢書)
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ワークショップ開始前に、カウンターにそれを置いて、自由に見られるようになっていたんだけど、その中から恵文社店長の堀部さん、福永さん、仲村さんが気になった本を挙げて、それを持ってきた方が「どこが好きか」をプレゼン。

私が印象に残ったのはこれ。絵本で、すぐ読めるので見せていただいたんだけど、めちゃくちゃばかばかしくて楽しい本でした。
怪我のお見舞いにお友達が持ってきてくださったそうなんだけど、素敵なお友達だなーと思いました。


みんなの太陽の塔 (小学館クリエイティブビジュアル)
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【仲村さんレイアウト終了、全員分のプリントアウト&自己紹介】

「本屋」テーマの200字、提出した分がレイアウトされて配布される。
小説、エッセイ、なんでもあり。みなさんそれぞれまとまってて面白いんだけど、私の分だけ支離滅裂でした。恥ずかしい・・・

学生さんから社会人まで、出版社で編集されてる方やいろんなお仕事をされてる方がいて、みんなそれぞれの動機で参加していて、もうそのエピソードの集合だけで相当面白かったです。

次回までの宿題として、自分の文章に添削をすること。
添削もなにも、そもそも文になってないしどうしようかなあ・・・・。

とにかく、私だけ未完成のものを提出したに等しかったので、ちょっとこれではいかんと危機感を感じました。
Twitterでよくあるお題でワンライ的なあれを毎日やって、書く訓練をしようかと。








 京都薪能 in 平安神宮行ってきましたレポ。


小狐丸の元ネタ「小鍛冶」を現代語訳した時「生の舞台を見たいけど機会が~」
とか言ってたら、あのあとすぐ「今年小鍛冶やるで!」って教えてもらったので!
歌舞伎とか文楽は何度か行った事があるんだけど、能の舞台を見るのは初めて。

6/1、6/2と2日間開催される京都薪能、初日と2日目では演目がすべて違う。
「小鍛冶」は2日目だったので、6/2(火)に参加です( ’ω’)


平安神宮に着いたのが16:40くらい。
開場17時予定だったんだけど、すでに開場待ちのお客さんがたくさん並んでいて、
17時を待たずに開場始まりました。
この日の京都の日の入は19:06。まだまだ空は明るい。



舞台正面の前列のほうはほぼ埋まってたんだけど前から20列目?くらいに
ポコっと一つだけ空いている席があったので確保!
昔はゴザ敷きだったそうだけど、最近はパイプ椅子みたいですね。
ぎちぎちに並んでいるので、ちょっと動くと隣の人と肘とか当たっちゃいます。
体の大きな人には辛いかも。


17:30、最初の演目「龍田」開始。
(上演中は写真・録音一切禁止なので写真は無いです)

【観世流半能「龍田」】


あらすじ http://www.tessen.org/dictionary/explain/tatuta
(銕仙会HP 「能楽事典」)

うん、あのね、ごめんなさい。すでに眠くなったよ・・・・ ( ˘ω˘)
何言っているかなんてわかるわけないし、地謠のリズムがものすごく
心地よくてだな・・・・。

やっぱり見どころは「作り物」と呼ばれる装置(なんて表現したらいいのか
わかんないんだけど、めっちゃ簡易なカバーつきハンガーラックみたいな・・・)
から龍田姫が出てくるとこですかね。

真紅の衣装は鮮やかで綺麗なんだけど「はーこれが能・・・・」とかぼんやり見てるだけで
いまいちこれといって感想が浮かばない。
地謠でも楽器でもない人が2人いて「この人たちは一体何の役を?」と思ったら
舞の合間に蔓(かずら)を直したり? しているのを見て、
「ああこれがパンフレットに載ってる“後見”って人か」と納得したりとか。

最初の演目からこの眠気で大丈夫か、とちょっと不安に・・・( θωθ)


18:05~火入れ式と理事長さんの挨拶。
堅苦しくて退屈そうだなあ、と思っていたら、理事長さんが大変お茶目な方で、
時々笑いを取りながら「難しいものと思われがちですが、気楽に見ていただいて
幽玄の世界を楽しんでいただけたら」というようなお話をされてました。


18:20~18:50
【観世流能 「経正」 替之型】

あらすじ  http://www.the-noh.com/jp/plays/data/program_042.html
 ( the 能.com )

これよかった!龍田での眠気を吹き飛ばしてくれた。
いわゆる「修羅物」と呼ばれるやつで、修羅道に落ちて苦しむ最後の部分は
足を踏み鳴らしたりして(これがまた小気味いいほど響く)ダイナミック。

だんだんと陽も落ちて、少し風も出ていたので髪がふわっと風に煽られたりして
野外ならではの雰囲気が出てました。
緑と白の上衣に山吹色の袴もかっちょよかったです。
シテ(経正)は杉浦豊彦さんという方でしたが、ものすごくよく通る素晴らしい声ですね。


おなかが減ったので、経正が終わって次の演目が始まる間に、
コンビニで買っておいたおにぎりをもぐっと詰め込み(*ꆤ.̫ꆤ*)
さすがに上演中に食べる人は近くにはいませんでしたが、始まる前とか合間に
結構みなさんお弁当とかパンとか食べてたよ。


18:55~
【金剛流能 「羽衣」 盤渉】

あらすじ http://www.the-noh.com/jp/plays/data/program_011.html
 (the 能.com )

天人めっちゃ声太い・・・(´っω・`)
いやまあみんな男性なんで当たり前なんだけど、素人なんでこういうとこすごい
気になっちゃって・・・・。

羽衣っていうとなんというか結婚式でよく見るふわーっとしたシフォンのアレ
を思い浮かべるので、折りたたんだ帯みたいな羽衣を受け渡しするのを見て
「めっちゃ重そうやな・・・」と思ってみてたら、

あ、それほんとに着て舞うのね( ’ω’)

漁夫が羽衣を返すと、本当にそれを着てクライマックスの舞踊るのね。
単なる小道具じゃなかったわ。
衣装もさることながら、簪がゆらゆら揺れて綺麗でした。でもちょっと眠かった。

終わるころには完全に陽が落ちて、ライトアップされた大極殿がバックに
ぼんわり浮かびあがって、雰囲気バッチリだよ~!(*⁰▿⁰*)


19:35~
【大蔵流狂言 「夷毘沙門」】

あらすじ: 娘の聟(むこ)を探す有徳の者が、鞍馬の毘沙門天と西宮の夷三郎に祈願し高札を立てると、両神とも自分が聟になろうと有徳の者の家に出かけて鉢合わせする。互いに相手をののしり自分を宣伝して口げんかとなるが、主人の願いに応じて宝を与え、両神とも福の神としてこの家に納まる。

(岩波書店刊 『日本古典文学大辞典』より)

これめちゃくちゃ面白かった!狂言なんでだいたい何言ってるかわかるし、
特に夷さまがめちゃくちゃコミカルで、何度か笑いが起きてた。
「くらまのびしゃではないか~!」

小道具も、なんかでかい鯛持ってたりして(釣りシーンでキャッチし損ねてましたがw)

オチがいまいちわからなかったんだけど、結局どっちも聟にはならずに
福の神として納まったということなのね。
宝物までちゃっかりせしめて、おい親父うまくやったな という感じ( ’ω’)


ラスト!!これが見たくて来たのよ!!!こぎつねまるー!!
20時~
【観世流能 「小鍛冶」】

管理人による 謡曲「小鍛冶」ゆるゆる現代語訳はこちら

前シテ・童子(稲荷明神の化身)が日本における刀剣の神性を語るところ、
異民族に火攻めにされたヤマトタケルノミコトが草薙の剣でバッサバッサと
草を薙ぎ払うところでですね、ちょうど風が強くなって、髪だの袖だの火の粉だのが
風に舞って、見てて╰('ω' )╯Ξ╰( 'ω')╯うおおお!!ってなりました。

もちろん演出ではなく偶然なんだけど、平安神宮だぜ?
場所が場所だし、神の1人や2人見物に来ててちょっとイタズラしてもおかしないやん?
くらいのタイミングの良さであった。

そしていよいよ、クライマックスの鍛冶シーン!
稲荷明神、全身真っ赤!!めっちゃパンキッシュ!かっこいい!!

と興奮しながら見てたらですね、

「・・・ん?頭になにか・・・・・え!?

  (;꒪ꈊ꒪;)狐乗ってる―――!!!


稲荷明神、真っ赤な髪の上に銀?白?の狐の形のプレートのようなものががが。
たぶん文字にしても意味がわからないと思いますので!!



※画像は朝陽会館(http://choyokaikan.com/nohgaku_gallery/kokaji/)のサイトより


ほらぁ( ’ω’) 
いやーびっくりしましたね、まさかああいう衣装があるとは思ってなかったんで。
実際の舞台だと、写真の衣装よりもっと全体的に赤かったです。ド派手だった。

現代語訳したこともあって、台詞も聞き取れたしやっぱり流れを把握していると
面白く見れますね。他の演目ももっと予習していけばよかったかな。

初めての薪能、とてもエキサイティングで楽しかったです。また行きたい。


持って行ったほうが楽しめる&快適に観劇できると思うもの
・虫除けスプレー
・上着 (蒸し暑かったり冷えたりするので調節できる格好のほうが)
・オペラグラス (衣装や面など細かいところ見たかった)
・おにぎりとか菓子パンとか(17時開場~20時半終了なので昼食以降何も食べない状態だとかなりつらいと思わます。