ショーン・タン 『夏のルール』


夏のルール


きょうだいがいる人もいない人も大人も子供もみんなの心にじん、と残る『アライバル』『遠い町から来た話』のショーン・タンが描くあたらしい夏のものがたり。


見開きのページの左側に短い一文、右側に絵。
ページひとつひとつが、絵画であり物語であり、映画のワンシーンのようでもある。

この人の描く絵はどことなく物悲しいというかうら寂しいというか、
なんともいえない独特の雰囲気があって、何時間でも見ていられる。


社会のルールや善悪に関して無知で曖昧だった子供の頃、
子供なりにいろんなルールに従って生きてたような気がする。
ショーン・タンの絵に引きずられるように、子供の頃のマイルールを思い出した。



夜の闇から這い出てくるかいぶつに手足を齧られないように、
寝る時は絶対に布団の外に手や足がはみ出さないように気を付けてたし、
横断歩道の黒いところには鰐がいるから絶対に踏まなかった。
(鰐はみんなしましまで、紫と黄色のしましまのやつが一番つよい)

赤いクレヨンと黒いクレヨンが画用紙の上で混ざるとおなかが痛くなる。
ちょうちょ結びがトンボになった日は妖精が靴の上にいるので走らない。
次の月が来る前にカレンダーを破ってしまうととてもよくないことが起きる。
スキップしている時に猫が現れたら、それは魔女の使いなのでついて行ってはいけない。


今思うと、何がどうしてそんな事を真剣に信じていたのかと思うけど
たぶん子供なりに、大人や世間から押し付けられる理不尽なあれこれと
折り合いをつけるために必要なルールだったのかなあ。


夏休みがない大人でも(・・・)本を開いている間は、
知らない国に旅行に行ってるかのような、心地よいトリップ感が味わえる。
とにかく絵がすばらしすぎる~(*⁰▿⁰*)
『遠い町から来た話』も好きです。『プリティ・モンスターズ』の挿絵もすてき。


遠い町から来た話
遠い町から来た話
posted with amazlet at 15.04.29
ショーン タン
河出書房新社
売り上げランキング: 165,853

プリティ・モンスターズ
プリティ・モンスターズ
posted with amazlet at 15.04.29
ケリー・リンク
早川書房
売り上げランキング: 241,945




0 コメント:

コメントを投稿