閻連科 『愉楽』


愉楽


真夏に大雪が降った年、障害者ばかりの僻村・受活村では、レーニンの遺体を購入して記念館を建設し、観光産業の目玉にするという計画が始動する。その資金を調達するため、村人たちの中から超絶技能を持った者が選抜され、旅の一座を結成する。飛ぶように走る片脚の青年、下半身不随の刺繍の名手、微かな音も聞き分けるめくらの少女…。激動の20世紀を背景に繰りひろげられる狂躁の日々。想像力と現実が混淆する魔術的物語。中国社会の矛盾を撃つ笑いと涙の大長篇。フランツ・カフカ賞受賞。

閻連科 『愉楽』読了。
(原題: 受活    谷川毅訳)

第5回Twitter文学賞、海外編第1位。
すさまじかった。
上下二段組438ページの長編だが、あっという間に読み終えた。
マジックリアリズムには違いないのだが、エンターテイメント成分が多いので
ドノソなんかに比べるとだいぶ読みやすい。

まず受活村の成り立ちでキュッと首根っこを掴まれ
四人組の「姚は文学界のチンピラ姚文元のことだ。」で爆笑し、
気がつけば、読者を引き込む手法と外連味たっぷりの文体にあれよあれよと
没頭させられる。訳者の方の手腕もあってこそだろう。

中国の作家というと、莫言と高行健、最近だと遅子建くらいしか碌に読んでないのだが、
なんというか、世界は広いなあ、とごく当たり前のことを思った。

世の中にはまだ、日本語には翻訳されていない、これからもされることのない、
そういう作家が山ほどいて、その中にはドノソや閻連科のような作家や、
もっと未知の作家の作品が山ほどあって、
彼らの名すら知ることなくわたしは死んでいくんだなと。

翻訳されてたってまだまだ読んだことのない作家のほうが多いわけで、
うわー死ぬまでにあとどれくらい本読めるのかな、などと
徹夜明けに思わずメメント・モリってしまうくらいには衝撃的でした。

TLでも定期的にガイブン売れないと話題になりますが、こういう作品に出会うことは
本当に重要だしありがたいと思うので、出来るだけ応援したい。

書店員「海外文学が売れないのは値段の問題?」出版社「お返事します」



蛇足ですが。
こういう作品に出会うために本を読んでるのだ、としみじみした翻訳作品。


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翻訳2作だけなんです・・・。もっと、もっと読みたいよ~(´;ω;`)


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『氷』が文庫化されました。絶望孤独四面楚歌なのは容易に想像できるので
心に余裕があるときに読みます。


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子供の頃からずっと本を読んでいると、ときどき、読書の神様がプレゼントを
くれる時がある。これがそれだった。








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