吉村萬壱 『ボラード病』

ボラード病


B県海塚という町に住んでいる小学五年生の恭子。母親と二人で古い平屋に暮らすが、母親は神経質で隣近所の目を異常に気にする。学校では担任に、市に対する忠誠や市民の結束について徹底的にたたきこまれる。ある日亡くなった級友の通夜で、海塚市がかつて災害に見舞われた土地であると語られる――。

「文學界」に掲載後、各紙誌で絶賛され、批評家を驚愕・震撼させた、ディストピア小説の傑作。 


吉村萬壱 『ボラード病』読了。


怖かった。ただひたすら怖かった。
これは架空の街だ、ディストピア小説だ、
これはフィクションなんだと受け流せないような強烈な生々しさがあって、
どうしたって自分が置かれているリアルの危うさを感じてしまう。

あらすじだけ読んでも明白なように、これは震災後の日本への批判ていうか
かなりキツい風刺が込められてるんだけど
思いっきり封建主義の地方で育ったわたしは、海塚という町の嫌なかんじが
とっても身に覚えがあって、これって別に震災後に限った事じゃなくて
日本てもともとこういう空気があるよなあ、と。

読んでて気になったのは、妙にボカしてるというか歯切れの悪い部分があって、
これを出版するにあたっては吉村さんも出版社も色々覚悟を決めてただろうし
いまさら非難を恐れたわけではあるまいに、何故だろうと不思議に思ったんだけど、
このインタビューを読んでああ、と腑に落ちるところがあった。

本編を補完するようなインタビューになってるので、わたしのように
察しの悪い読み手にはありがたかったです。


 吉村萬壱 新著『ボラード病』刊行記念インタビュー 
  「露出する仮構の世界」(2014.06.01)
    http://www.kyoto-up.org/archives/2008

 



インタビューのラスト日記のアウトプットうんぬん、のくだりは激しく同意。
わたしは日記のかわりにブログにしたけどね。
どうせ読むなら反芻して言語化したほうが血肉になるかなーっていう
しみったれた発想なんだけど。アウトプットだいじ。




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