星野智幸 『夜は終わらない』

夜は終わらない


婚約者が自殺したとの一報が入った玲緒奈。千住警察署で悲しみにくれる彼女には、次に殺さなくてはならない別の婚約者がいた。セックスや結婚を餌に次々男を惑わし、財産を巻き上げ、証拠を残さず葬り去るのが日常なのである。そんな玲緒奈には不思議な癖があるのだった。
「生きてる意味があることを証明しないと。ね? 私が夢中になれるようなお話をしてよ」
あの世に送る前、男に語らせるのだ。それは、生い立ちでも、創作した話でも構わない。面白いかどうか、で命の長さが決まっていく。最期の気力を振り絞り話を続ける男たち。鬼気迫るストーリーが展開され、物語のなかの登場人物がまた別の話を語り始めたり、時空を超えた設定のなかにリアルなものが紛れ込んだり……全体の物語のなかにさまざまな短篇が入りくみ、海へと流れる大河として眺望できる大傑作。


星野智幸 『夜は終わらない』読了。

ヤバかった。
深夜に読んでると、本当にこのまま夜が明けないんじゃないかという気がした。

そういう魔力を持つ本だ。

ちょうど年越し前後の、一歩も外へ出ず本を読みまくり、
お腹が空いたら好きなものを食べ、眠くなったら寝る、という怠惰の極みみたいな
生活をしていた時に読んでいたので、地に足ついてない感というか、
現実から乖離して物語にずっぽりハマれたのもよかったな~。

あらすじの通り、最初は男を騙して金を巻き上げては殺害する玲緒奈という女が主役の
クライムミステリかサスペンスのようなテンションなんだけど、
玲緒奈に殺されるのを待つ男が語り出す物語が夜毎にどんどん拡散していき、
だんだんと千夜一夜の様相を呈してくる。

幾重にも重なったお伽話は登場人物がかぶったり前後がリンクしたりで、
もう洪水のように物語があふれてきてそれに翻弄されるばかり。
物語の魔力に囚われる心地よさよ。
日常からフライアウェイしたい時に最適。






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