柚木麻子 『ねじまき片想い』

ねじまき片想い (~おもちゃプランナー・宝子の冒険~)


毎朝スカイツリーを見上げながら、水上バスで通勤する富田宝子、28歳。浅草にあるおもちゃ会社の敏腕プランナーとして働く彼女は、次から次へと災難に見 舞われる片想い中の西島のため、SP気分で密かに彼のトラブルを解決していく…!やがて、自分の気持ちに向き合ったとき、宝子は―。


はー面白かった。柚木さんはやっぱりいいなあ。
1月に出た『その手をにぎりたい』はちょっとビターなかんじだったけど、
これは『ランチのアッコちゃん』と同じ路線で、コミカルでドラマチックで、
読むとぱーっと元気が出る系。

タイトルにある通り、今回は主人公の宝子(28歳処女)の5年越しの片想いが
メインになってて、序盤から宝子の切ない思いがしっとり語られたりするんで、
「おお、今回はえらくラブ度全開っすね」と思いながら読んでるとね、
この、片思いの相手の西島って男がね、


もう、どうしようもないだめんず。
まるでダメ男。



作中でも、宝子の職場の後輩やルームメイトやらが「あんなやつやめとけって!」
って口を揃えて言う、もう作者公認のだめんず。
(せめて顏でも良ければな・・・・)


まあそういうわけで、宝子に共感してときめいたりはあんまりない。
傍観者的に宝子の片想いの行方を見守っていくかんじなんだけど、
物語が進むにつれて、宝子が自分の片想いの正体というか
なぜ何のリアクションも起こせないのか、自分は一体どうしたいのか、
と自分自身を見つめなおしていくとこがね、とってもいいんですよ。

宝子のようなふわふわおっとりしたタイプではないけども、
自己完結しているという点ではわたしも似たような部分があるんで、
宝子が現状を打破しようともがき悩むさまはけっこう胸にきたなあ。


作中で、宝子がおもちゃプランナーとして手掛けるのは
“大ヒットの人気アニメ「魔法使いの心友」”のおもちゃやグッズという設定が
あるんだけど、これは小説に先行して、実際に別冊マーガレットで
「魔法使いの心友」というタイトルのマンガが連載されてました。
(もちろん原作は柚木さん)

香魚子さんの絵がすっごくキレイで、もちろんお話も面白いんで、
小説読んだ後に是非こちらも。
オススメ。



魔法使いの心友 1 (マーガレットコミックス)
柚木 麻子
集英社 (2012-09-25)




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