クラスメイツ 〈前期〉 クラスメイツ 〈後期〉


日本のYA文学をきりひらいてきた森絵都が、直木賞受賞後はじめて描く中学生群像。中学1年生24人のクラスメイトたち、その1人1人を主人公にした24のストーリーで思春期の1年間を描いた連作短編集。前期・後期の全2巻。 うれしい出会いや、ささいなきっかけの仲違い、初めての恋のときめき、仲間はずれの不安、自意識過剰の恥ずかしさや、通じあった気持ちのあたたかさ。子どもじゃないけど大人でもない、そんな特別な時間の中にいる中学生たちの1年間。だれもが身にしみるリアル。シリアスなのに笑えて、コミカルなのにしみじみとしたユーモアでくるんだ作品集。


森さんの作品は全部好きなんだけど、高校生の時に読んだ『宇宙のみなしご』は
一番繰り返し読んだ本だし、特別な思い入れがある。


『永遠の出口』以降は大人向け作品にシフトしたけど、これは久しぶりのYA向け作品で、
子供と大人の境目の不安定な時期に寄り添う繊細さとか、
思春期にぶちあたる微妙な問題もごまかさず美化せず描く森さんの姿勢が見てとれて、
ああ、十代の頃の自分に読ませたかったな、と思った。


お話自体から受け取ることももちろんあるだろうけど、この時期の微妙な気持ちを
「(小説として)ごまかさずに描いてくれる大人がいる」と認識すること自体が、
十代の頃には一種の救いになるんじゃないかと思う。


ひとつひとつのエピソードは短いけど、 あるエピソードで起こった事件が
他の子のエピソードで解決したり、同じ問題でも他の子のエピソードで語られると
まったく違う側面を見せたりして、面白い。

個人的には、気が強いのに涙もろくて、何かっていうとすぐ水泳部に勧誘してくる
藤田先生がいいキャラしてて好きw


『宇宙のみなしご』、YA作品だけどとってもいいので大人もぜひ。


宇宙のみなしご (角川文庫)
森 絵都
角川書店(角川グループパブリッシング)
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森絵都エッセンスがつまった短編集『気分上々』は、特に女性におすすめです。「ヨハネスブルクのマフィア」は去年読んだ短編の中で一番よかった。
森絵都 『気分上々』読書メモ


気分上々
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森 絵都
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ランサローテ島


カナリア諸島のランサローテ島。地震と火山の噴火によって破壊された荒涼たる大地。赤、黒、薄紫の岩場に生える奇妙な形状のサボテン群。20世紀最後の年の1月、4人の男女がそこで出会う。自由とカルトをめぐる物語。著者撮影の写真83点収録

第4回Twitter文学賞・海外篇2位のミシェル・ウエルベック。
かなり期待して読んだんだけど、残念ながらわたしの読解力では面白さが理解できなかったー。

主人公の、シニカルで厭世的な語りで描かれるランサローテ島の情景も、そこで出会う旅行者とのドラマも面白かったんだけど、終盤の予想外の展開に、なにを表現したかったのかよくわからなくなってしまって。

前半の80ページほどは著者が撮影した島の風景が載っており、この写真といい小説の描写といい「果てしなく荒涼たる大地と奇妙な形のサボテンだけの島」というイメージだったが、
観光向けのランサローテ島ページなどを見ていると、幻想的な地形と火山・洞窟が見どころの美しい島として紹介されているので、つまりミシェル・ウエルベックという作家のフィルターを通した独特の世界観を楽しむ作品なのかな。

いずれにせよ、一つだけ確かなことがあった。リュディの身に起こったことは、私たちのだれの身にも起こりうることだった。もはやだれも安全ではなかった。いかなる社会的ポジションも絆も、もはや確かなもとのは言えなかった。私たちは何が到来しても、何が破壊されてもおかしくない時代に生きていた。 ―――― (p58)

ここらへんが、ミシェル・ウエルベックという作家を端的に表してるような気がした。



読んでてひとつ気になったんだけど、 ラクダってそんな凶暴なんですかw 



大統領の料理人 [DVD]


片田舎で小さなレストランを営むオルタンス・ラボリがスカウトを受け、連れて来られた新しい勤務先はエリゼ宮。
そこはなんとフランス大統領官邸のプライベートキッチンだった。
堅苦しいメニューと規律と縛られた食事スタイル、嫉妬うずまく宮廷料理人たちの中で、彼女が作り出すのは「美味しい」の本当の意味を追求した料理の数々。
当初、値踏みするような目で遠巻きに眺めていた同僚たちも、いつしか彼女の料理の腕と情熱に刺激され、彼女のペースに巻き込まれ、やがて、大統領のお皿に食べ残しがなくなってきたある日、彼女に直接声をかけてきたミッテラン大統領の口から意外な話が飛び出す―。

サントノレ持ってこーい!!ヽ(*`Д´*)ノ


ペナンブラ氏の24時間書店


失業中の青年クレイが、ふとしたきっかけから働くことになった“ミスター・ペナンブラの二十四時間書店”は変わった店だった。まったく繁盛していないのに店名どおり24時間営業で、梯子付きの高い高い棚には、存在しないはずの本(Google検索にもひっかからない!)がぎっしり詰まっているのだ。どうやら暗号で書かれているらしいそれらの本の解読に、クレイは友人たちの力を借りて挑むが、それは500年越しの謎を解き明かす旅の始まりだった―すべての本好き、読書好きに贈る冒険と友情、その他もろもろ盛りだくさんの物語。全米図書館協会アレックス賞受賞作。


タイトルと装丁からして、気難しくて偏屈な書痴の爺さんがやってる書店で巻き起こる、
ハートウォーミングで適度に知的な、人の死なないミステリーみたいなやつを
想像してたんだけど、読んでみるとこれがさ~
『ダ・ヴィンチ・コード』ばりの謎解きゲームだよ!

宗教象徴学の教授と司法警察の暗号解読官の代わりに、謎を解くのは
フリーターの青年・そのルームメイトの特殊効果アーティスト、
スーパーな頭脳を持ったグーグル社員・ソフトウェア会社のCEO・・・・などなど。

いい年した大人たちが暗号解読に奔走し、落胆したりはしゃいだり、
なんつーか、あなた方楽しそうでいいですねw

明晰な頭脳を持つ一人の天才(学者やら刑事やら探偵やら)が証拠を集めつつ
クールに謎を解いていくのもいいけど、新しい謎にぶち当たるたびに
「おう、そういうのなら俺のダチに詳しいやついるぜ!」
っていうノリでどんどん仲間が増えていき、協力して謎を解いていく、
こういうのも楽しいじゃないですか。

ただ、かなり現代的な、Twitterやプログラミングやネットを駆使して
謎を攻略していくのがキモなので、そういう方面に疎い人にはイマイチ燃えないかも。
『本にだって雄と雌があります』が面白く読めた、という人にはぜひオススメする!(*⁰▿⁰*)


本にだって雄と雌があります
小田 雅久仁
新潮社
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でね、ちょっと白状すると、

わたし、中盤までゲリッツズーン体っていう字体が実在すると思って読んでました。


\(^o^)/




ねじまき片想い (~おもちゃプランナー・宝子の冒険~)


毎朝スカイツリーを見上げながら、水上バスで通勤する富田宝子、28歳。浅草にあるおもちゃ会社の敏腕プランナーとして働く彼女は、次から次へと災難に見 舞われる片想い中の西島のため、SP気分で密かに彼のトラブルを解決していく…!やがて、自分の気持ちに向き合ったとき、宝子は―。


はー面白かった。柚木さんはやっぱりいいなあ。
1月に出た『その手をにぎりたい』はちょっとビターなかんじだったけど、
これは『ランチのアッコちゃん』と同じ路線で、コミカルでドラマチックで、
読むとぱーっと元気が出る系。

タイトルにある通り、今回は主人公の宝子(28歳処女)の5年越しの片想いが
メインになってて、序盤から宝子の切ない思いがしっとり語られたりするんで、
「おお、今回はえらくラブ度全開っすね」と思いながら読んでるとね、
この、片思いの相手の西島って男がね、


もう、どうしようもないだめんず。
まるでダメ男。



作中でも、宝子の職場の後輩やルームメイトやらが「あんなやつやめとけって!」
って口を揃えて言う、もう作者公認のだめんず。
(せめて顏でも良ければな・・・・)


まあそういうわけで、宝子に共感してときめいたりはあんまりない。
傍観者的に宝子の片想いの行方を見守っていくかんじなんだけど、
物語が進むにつれて、宝子が自分の片想いの正体というか
なぜ何のリアクションも起こせないのか、自分は一体どうしたいのか、
と自分自身を見つめなおしていくとこがね、とってもいいんですよ。

宝子のようなふわふわおっとりしたタイプではないけども、
自己完結しているという点ではわたしも似たような部分があるんで、
宝子が現状を打破しようともがき悩むさまはけっこう胸にきたなあ。


作中で、宝子がおもちゃプランナーとして手掛けるのは
“大ヒットの人気アニメ「魔法使いの心友」”のおもちゃやグッズという設定が
あるんだけど、これは小説に先行して、実際に別冊マーガレットで
「魔法使いの心友」というタイトルのマンガが連載されてました。
(もちろん原作は柚木さん)

香魚子さんの絵がすっごくキレイで、もちろんお話も面白いんで、
小説読んだ後に是非こちらも。
オススメ。



魔法使いの心友 1 (マーガレットコミックス)
柚木 麻子
集英社 (2012-09-25)




プラトニック・プラネッツ (ダ・ヴィンチブックス)


漫画家志望の住吉休之助と暮らす、ロボットペットメーカー社員の二十四軒すわの。おとむらいの儀式で歌った晩、フューチャークラシコ葬祭社の荻原楯と出 会ったことから、すわのの運命が回りはじめた…ほんとうの願い、大すきだった人と離れて進む道、団地から宇宙の果てまできらめく想いの炎。心がすっきり、 楽になる、世界を見る目が変わる小説。 


歳を重ねるほど、恋だとか運命だとかを直球で投げられるとこっ恥ずかさと胡散臭さに引いてしまうんだけど、雪舟さんの描く恋とか運命は、リリカルかつコミカルで、びっくりするほどすとんと受け止められてしまう。

主人公のすわのが「運命」を感じて、いくつもの決断を立て続けにしていくさまは、どこか淡々としているのに「ときめき」とかいいようのない不思議な昂揚感があってどきどきした。

『バージンパンケーキ国分寺』で、非処女が通る時のみ鳴るドアベルがあるパンケーキ屋っていう設定に度胆を抜かれたが、今回は全体的に未来っぽい設定で、特にお葬式が現代のそれとは全然違っていてすてき。

屋上で飲めや歌えの大騒ぎ、歌とともにお別れ、飛行船の中で焼かれて、場合によってはそのまま散骨。
こういうの、いいなあ。


楯くんと休之助っていう二人の男性が出てくるんだけど、もう、このふたりがビジュアルからたたずまいから、何からなにまで超魅力的で!
休之助のマンガ読んでみたいなああ。
雰囲気的に、IKKIっぽい感じかな~と想像してみたり。


恋と運命と、生命と宇宙と団地と飛行船!
読んでる間、ずっとしあわせで、ふわふわ浮いているようなかんじだった。
読み終わったあとも、何かちょっと体が軽くなったような、デトックス効果のあるお話だった。
読めて良かった。




ジュリアとバズーカ


「私は本当はここにはいない」
孤独な少女の日常に不安な幻想が浸み込む−−アンナ・カヴァンによる、繊細で美しい短篇小説集。

 このアンナ・カヴァンというひとは、この世に生れ落ちてからというもの、
一度でも安らぎや充足というものを覚えたことがあるんだろうか。

読みながらずっと、そんなことを感じるほど「喪失」や「不安」、「孤独」を
噛みしめるような話ばかりだった。
時々、ほんの少しだけ、誰かと寄り添ったり、心が満ち足りた瞬間が描かれる。
それが、涙が出るほど美しい。


わたしは星を見ないようにしている。星を見ることに耐えられないのだ。星を見上げては「わたしは生きている、愛し愛されている」と思った日々を思い出してしまうから。人生のうちであの時だけは、わたしは本当に生きていた。今は生きている気がしない。わたしは星が好きではない。星のほうでわたしを好いてくれたことは一度もなかった。愛されたことなど思い出させてくれなければ良いのに。―――――「英雄たちの世界」(p77)


だが、作品の中で語られる美しい瞬間はいつも過去のものだ。
喪失や孤独による、一種の陶酔を伴うドラマティックな悲哀とか、
それを乗り越えた先の希望みたいなものは、一切伝わってこない。
自分はずっとこのままなのだと、もう取り戻せない、やり直せないという、
諦めのようなものを感じる。

彼女が67歳まで生き延びられたのは、「バズーカ砲」と冗談めかして
呼ばれる注射器を常に持ち歩き、ヘロインを常用していたおかげだろう。
けれど、ヘロインの力を借りても、彼女の足元にはきっと、
常にぽっかりと暗い穴が開いていた。

歳を重ねれば重ねるほど、人間は鈍感になっていく。
痛みや悲しみから身を守って生き延びるために。
健やかさや幸せが日常になれば、その重さにも鈍くなる。

彼女のまんなかはきっと、やわらかい芯のままだった。
その柔らかさに触れて、ぎくりとする。


「ある訪問」「英雄たちの世界」が特に印象的だった。
死ぬ間際にふと思い出したりするのはこういう話かなあ、と思った。










天使の処刑人 バイオレット&デイジー [DVD]


舞台は、ニューヨーク。お手軽な仕事だけを請け負う、ティーンエイジャーの殺し屋バイオレット(アレクシス・ブレデル)とデイジー(シアーシャ・ローナ ン)。ある日2人は、仕事仲間のラス(ダニー・トレホ)から"報酬アップの楽な仕事"を依頼され、一度はあっさりと断ってしまうが、雑誌の記事に掲載され た彼女たちのアイドル"バービー・サンデー"の新作ドレスに惹かれてしまい、そのドレス欲しさに殺しの仕事を引き受けてしまう。殺しの夕一ゲットは、香水 を積んだトラックを盗んだ男で、自ら電話をかけてきて住所や電話番号や名前も吐いてきた怪しい男だという。デイジーは、バイオレットの昔のパートナーだっ たローズに嫉妬心を抱いているが、新作ドレスを手に入れることで何かが変わることを願いながら、バイオレットは、デイジーと2人で新作ドレスを着てパー ティで楽しく踊っている姿を夢見ながら夕一ゲットの部屋へと向う。2人は簡単に夕一ゲットの部屋に忍び込むことに成功する。夕一ゲットである中年の男マイ ケル(ジェームズ・ガンドルフィー二)はひとりソファで無防備に寝ていた…。
早く殺して欲しいと願うマイケルに動揺してしまうバイオレットとデイジー。時を同じくして、別の殺し屋の男達が、マイケルの部屋へと向っていた。思わぬ殺しの夕一ゲットだったことから、2人はある危険な賭けに出るのだが…。

あーもー、こういうの大好き!!(*゚∀゚)=3
ストーリーはあってないようなもんなんだけど、そんなことはどうでもいい。
シアーシャ・ローナンかわいすぎか!!!

エル・ファニングと同じく妖精系美少女のシアーシャ・ローナンが、野生の小鹿みたいな目をして、尼僧やツナギ姿でガンガン銃をぶっ放すっていう、こういう映画がたまらなく好き~。

相棒のバイオレット役のアレクシス・ブレデルもかわいかったし、なんつってもターゲット役のオッサン、ジェームズ・ギャンドルフィーニの哀愁漂う演技がめちゃくちゃよかったぜ・・・。
自分を殺しに来た女の子にクッキー焼くなよおっさん・・・・。
警戒しながらも、焼き立てクッキーの誘惑に勝てず、むしゃむしゃ食べだして「ミルクある?」なんて聞いちゃう2人が反則級にかわいい!

シアーシャ・ローナン、「ラブリー・ボーン」を見た時から大好きで!「グランド・ブタペスト・ホテル」もすっごくよかったし。「ハンナ」はまだ見てないから今度借りよう(*´pq`*)