群像2月号「変愛小説集」

群像 2014年 02月号 [雑誌]


群像2月号 「変愛小説集」(岸本佐知子編)読了。

こんな好き勝手やってるアンソロジー初めて読んだ。最高でした!!!
編集者の前口上として、岸本さんが
 書き下ろしをお願いするにあたって、こちらからは何も注文はしませんでした。ただ、愛について書いてほしいとだけ思いました。そうして集まった十二編は、私の期待をはるかに越えて変てこだったりグロテスクだったり極端だったりする、素敵に純度の高い愛の物語になりました。

と書いておられますけども、

いやいやいやいや。

そりゃー“変態の味方”(by紀伊国屋新宿店)こと岸本さんからの依頼だものー。
作家のみなさんも張り切っちゃたんでしょうよ!!(*⁰▿⁰*)
あまりに面白かったんで、これそっくりそのまま単行本化してくれんかなあ。


ネタバレありの感想ですよOK?( • ̀ω•́ )


☆ 川上弘美 「形見」
七夜物語もニシノユキヒコも好きだけど、川上さんは最初期(2000年前後)が
好きなわたしにはたまらんテンションでした。そうこれ!こういうやつ!!
「(三番目の妻が)カンガルー由来」とかもう、震えますね。


☆ 多和田葉子 「韋駄天どこまでも」
これめっっっっちゃ好き・・・・・。(*ノェノ)
ものすごく短い話だが、相変わらずの多和田語が炸裂しまくり
紙面の上で視覚が翻弄されるううううう!!
体育館でままごとごっこをするシーン、うっとりしました。はあああ愉悦。


☆ 本谷有希子 「藁の夫」
夫が藁!!!相変わらず意味不!!!
しかもこの藁、すごくイラッとする!!!!
この作品について、同じく読了済みのフォロワさんと話していた時にもらった
「ありゃあチャッカマン常備したくなる藁ですわ~。」
っていうリプがツボに入って半日くらい思い出し笑いしてましたw


☆ 村田沙耶香 「トリプル」
カップルで付き合うよりもトリプル(3人)で付き合うのが流行り、という
設定の現代日本の、十代の女の子と男子2人の恋愛を描いた短編。
おセックスがとても特殊でおもしろい。この設定で連作短編読みたい。


☆ 吉田知子 「ほくろ毛」
カラスイケメン。


☆ 深堀骨 「逆毛のトメ」
「ゼペット爺さん(日本人)」の波状攻撃にじわじわ来てるところに
「オッケペケ王国の旧国王サナトリア・サナトリウム二世の木乃伊」
で完全に腹筋死んだwwwwwwwwずりぃwwwww
一応これ、ピュグマリオニズムがテーマ(だと思う)んだけど、
肝心の人形が果てしなく狂暴っつか何なんだお前は、っていう。
「あの親爺、肝。 &、 怖」 トメは思った。

原文ママですよこれ!!
初めて読む作家さんですが、これ、あれだ、このノリわたし知ってる!!と
モヤモヤする既視感の正体は森奈津子先生でした。
『西城秀樹のおかげです』とか、あのあたりのバカミスのノリなんだよ!!
唯一出ている単行本はどうも品切れ重版未定っぽいな。
amazonでプレミアついてる・・・・(´・ω・`)ジューハンプリーズ



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☆ 木下古栗 「天使たちの野合」
「お前ちょっと落ち着けし、」と言いたくなるくらい群像公式がズイズイ推してくる
『金を払うから素手で殴らせてくれないか?』の古栗さん。わたくし未読です。

金を払うから素手で殴らせてくれないか?金を払うから素手で殴らせてくれないか?
(2014/03/27)
木下 古栗

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装丁とタイトル見てさ、ああこれ『スタッキング可能』層だろ、だろ?
って思うので、まあ、マーケティングとしては大変正しいよね。
で、読んでみたら微妙~にわたしの好み路線とはズレているが
その分冷静に面白さを堪能できました。
菓子パンがまさかアレの伏線とは思わないじゃないふつう!!
マジックリアリズムと呼ぶにはいささか過激すぎるが面白かった。


☆ 安藤モモ子 「カウンターイルミネーション」
これまた異色作。ざっくり言えば、異国での一瞬のロマンス、のような
ストーリーなんだけど、ロマンチシズムが見事に濾過されちゃってて
ものっすごい濃い血液だけが残りました、という感じ。


☆ 吉田篤弘 「梯子の上から世界は何度だって生まれ変わる」
美術館と電球交換士の「おれ」と、「彼女」が吐き出す「景色」
安定の吉田篤弘イズム!


☆ 小池昌代 「男鹿」
靴マニアにはたまらん一編で震えました。
働きはじめた頃、どうしても欲しくて欲しくて、半月悩んだ末に買った
お家賃よりずっと高いセルジオロッシのパンプスのことを思い出した。
しばらく枕元に飾って寝てたよw
わたしも欲しい羚羊の脚。人間をやめたあとの疾走はさぞ心地よかろうて。


☆ 星野智幸 「クエルボ」
「ほくろ毛」とカラスかぶったーー。


☆ 津島佑子 「ニューヨーク、ニューヨーク」
これをね、アンソロジーのトリに持ってくるところがもうね、
岸本さんの、してやったりというドヤ顔が目に浮かぶようですよ。
胸が詰まって苦しかった。



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