ノックス・マシン


上海大学のユアンは国家科学技術局からの呼び出しを受ける。彼の論文の内容について確認したいというのだ。その論文のテーマとは、イギリスの作家ロナル ド・ノックスが発表した探偵小説のルール、「ノックスの十戒」だった。科学技術局に出頭したユアンは、想像を絶する任務を投げかけられる…。発表直後から SF&ミステリ界で絶賛された表題作「ノックス・マシン」、空前絶後の脱獄小説「バベルの牢獄」を含む、珠玉の中篇集。

「このミステリーがすごい!」2014年国内篇第一位。
う~ん、Amazonレビューでもさんざん言われてるけど、 「読み手を選ぶ」というか
「この本を楽しむためには資格が要る」というか・・・。

海外の古典ミステリ、SFに精通してる人じゃないと元ネタがわからない。
海外古典にはほとんど知識のないわたしが読んでも、ストーリーとしては
まあまあ面白いんだけど、「ああ、これって上澄みだな」っていう面白さで、
この本の真価はそこじゃないのはわかる。


完全マニア向け。わかる人がただただ羨ましい~(´-ω-`)




金色機械


触れるだけで相手の命を奪う恐ろしい手を持って生まれてきた少女、自分を殺そうとする父から逃げ、山賊に拾われた男、幼き日に犯した罪を贖おうとするかの ように必死に悪を糺す同心、人々の哀しい運命が、謎の存在・金色様を介して交錯する。人にとって善とは何か、悪とは何か。


面白かった~。
恒川さんは昔『草祭』を読んだことがあるんだけど、あのイメージで読むとビックリする。

こっちはかなり何でもアリなエンタメなので、『草祭』のような美しい余韻はないんだけど、
次はどうなる!っていうグイグイ読ませる勢いがめっちゃすごい。


具体的に面白さを表現しようと思うとどうしてもネタバレになるんで、
あまり他人のレビューとか感想とか予備知識ナシで読んだ方が面白いと思う。






舞台


29歳の葉太はある目的のためにニューヨークを訪れる。初めての一人旅、初めての海外に、ガイドブックを暗記して臨んだ葉太だったが、滞在初日で盗難に遭 い、無一文に。虚栄心と羞恥心に縛られた葉太は、助けを求めることすらできないまま、マンハッタンを彷徨う羽目に…。決死の街歩きを経て、葉太が目にした 衝撃的な光景とは―。思いきり笑い、最後にはきっと泣いてしまう。―圧倒的な面白さで読ませる傑作長篇。

とりあえず葉太、めんどくさい。


自分探しとか自己愛とか自意識過剰とか、うん、最初は「あるあるー」って
生ぬるい感じで頷いていられるんだけど、ちょっとめんどくささが
しつこすぎて途中から苛々しっぱなしだった。

もう、ここまでいくと「病」の域じゃないか。
どうしてあそこまでネガティブ無双豆腐メンタルで生き延びられるんだろうか。
自分自身を心底嫌悪してるってのもわかるさ、わかるけどさ。

年齢設定がネックだったかな。十代後半ならまだしも、29歳ってお前。
いや、29歳までこのまま生き延びてきちゃった、っていう痛さが肝なんだろうね。

西さんの『きりこについて』が好きすぎるので、
葉太に関しても「ここまで」の話じゃなくて「そこから」が読みたかったなーと。


きりこについて (角川文庫)
西 加奈子
角川書店(角川グループパブリッシング) (2011-10-25)
売り上げランキング: 9,907



アンソロジー おやつ


思わずにんまり、至福の時間。おやつに育てられ、おやつに癒やされる。甘いも辛いも42篇。

襲い来る食欲に耐え切れず、読みながら手のひらサイズのミニ羊羹を
貪り食いました。胸やけ上等ッ!!

特に矢川澄子の「幻のビスケット」、阿部艶子の「きんとん」
久住昌之「おはぎと兵隊」、筒井ともみ「くすぐったい白玉」
の4篇が、なんともいえない情緒があって良かった。

少し大きな平皿の端の方に、水気を少し残したままの白玉を置く。五個か六個。皿のもう一方の端に砂糖をスプーン一杯ほどのせる。静かに静かに皿を揺する。白玉の肌にあった水分が流れて、砂糖を溶かし始める。ぽってり水分を含んだ砂糖になったところで、白玉をまぶして食べるのだ。これが白玉のファンタスティックな味を邪魔しない、なにより美味しい食べ方だ。 「くすぐったい白玉」(p98)


ファンタスティック!!エクセレント!!!!


白玉なら、普通にきな粉か粒あん派ですがこれはぐらっときた。今度やる。


江國さんのに出てくる「モロゾフのミニシュークリームコアントロー味」に
異様な執着を持ってる女性作家がもう一人いた気がするんだけど
誰だか思い出せない。長野まゆみだったかなあ。

ちょいちょい挟まれる、岡本真菜子さんの撮りおろし写真もすごくよかったです。