ジョイス・キャロル・オーツ 『生ける屍』

生ける屍 (扶桑社ミステリー)

31歳のQ・Pは、少年に対する猥褻行為で執行猶予判決を受け、いまは保護観察中だ。しかし、彼にはおそろしい考えがあった。気に入った少年を捕まえて、眼窩から脳へ針をとおし、ロボトミー手術を施すのだ。そうすれば、自我を失って彼の言うことをなんでも聞く、生ける屍―ゾンビを手に入れることができる!彼は、新たな標的へ近づく…ノーベル賞候補作家オーツが、ジェフリー・ダーマー事件を素材に、殺人者の内面をえぐる!ブラム・ストーカー賞を受賞した、サイコ・サスペンスの極北。

ジョイス・キャロル・オーツ 『生ける屍』読んだ。
(井伊順彦訳, 原題:ZOMBIE)

第4回Twitter文学賞海外編10位に
『とうもろこしの乙女、あるいは七つの悪夢』がランクインしていて
その講評で豊崎さんと杉江さんが
「オーツの長編でさ、気に入った美少年を誘拐して
自分好みのゾンビにするためにロボトミー手術施す話が抜群に面白いよね」

という会話をしていてなにそれそっちのが面白そうじゃんんん!
・・・となったので受賞作そっちのけで読みました(・∀・)

とうもろこしの乙女、あるいは七つの悪夢 ---ジョイス・キャロル・オーツ傑作選とうもろこしの乙女、あるいは七つの悪夢 ---ジョイス・キャロル・オーツ傑作選
(2013/02/15)
ジョイス・キャロル・オーツ

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まあやってることからすると完全に変態サイコ野郎なんだけど、
彼は彼で、そういう自分の性癖を気に病んで更生しようと思ったり
家族に対しての葛藤や愛情、申し訳ないという気持ちとか、
お気に入りの子をストーキングしては胸をときめかせたり、と
妙にピュアっ子というか永遠の思春期か、というような心理描写が多くて、
残酷なんだけど不思議と嫌悪感を抱かずに読める。

(とはいえ麻酔ナシでアイスピックを目から脳へ突き刺す、みたいな
シーンがあるので生理的にダメなひとは完全にアウトだと思う)

最後らへんはもう、
「ああ、君も苦労してんだねえ・・・」
みたいな、若干の同情心まで抱く始末。同情というか憐憫というか。
ここらへんの巧さが“ノーベル賞候補”と言われる所以なのかなー。

あっといわせるトリックとか、ドキドキハラハラ緊迫感ではなく、
殺人犯の心理を描くタイプのミステリなので好き嫌いは分かれるかなあ。
わたしはこういうのけっこう好きっす。


\おれのゾンビ!!/

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