遅子建 『今夜の食事をお作りします』

今夜の食事をお作りします (コレクション中国同時代小説 7)

夫と喧嘩して家を出た陳青は「今夜の食事をお作りします」という紙片をもって市場に立ち、見知らぬ他人のために夕食を作る。この奇妙な“浮気”の果てに、彼女が気づいた真理とは…。表題作のほか、停車場近くの食堂に集うひとびとの交流を哀感豊かに描く「プーチラン停車場の十二月八日」など、6篇の中短篇を収録。

遅子建 『今夜の食事をお作りします』 読了。
(竹内良雄, 土屋肇枝訳)

ううーん、ストーリーは間違いなく面白いんだけど、読んでいる間中、
おそらく民族性の違いから来るのであろう違和感が常につきまとう。

特に「怒りポイント」が日本人のそれとはかなり異なるようで、
作中、「えっそれそんな怒ることか?」みたいなところで
異様に激しく怒ったりするで、微妙に感情移入がしにくい。

表題作の「今夜の食事をお作りします」(原題:第三地晩餐)は
夫婦の擦れ違いを描いたもので、主人公・陳青の感情の機微が
細やかに描かれていたし構成も面白かったんだけど
やっぱり細かいところで「あ、そこでそういう反応・・・」
っていうのがあり、イマイチ入り込めなかったなあ。

作者の遅子建は1964年生まれということだから、
文革の混乱をモロに受けて育った世代ってことかな。
難産の妊婦を国境破りしてソ連の病院に運び込んだり、
それが元で、後々文革の時代にスパイ容疑をかけられて夫がしょっぴかれたりとか
ナチュラルにそういう展開があるので、随所でおお、って思う。

話によってだいぶ作風が違うが、個人的には
「ラードの壺」(原題:一壜猪油)が一番面白かったかな。


中国版amazonでもこの人評価高いけど
他の作家見ても総じて☆4つ↑が多いような気がするので、
なんらかのバイアスがかかっているのかなーとか(´っω・`)

ふと思いついて高行健を検索してみるけど、未だに単行本はない?模様。
ノーベル文学賞の選集みたいなやつでは読めるようですが。
さすが、金盾なんてものがある国ですね・・・・。


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