朝井リョウ 『何者』

何者

「あんた、本当は私のこと笑ってるんでしょ」就活の情報交換をきっかけに集まった、拓人、光太郎、瑞月、理香、隆良。学生団体のリーダー、海外ボランティア、手作りの名刺……自分を生き抜くために必要なことは、何なのか。この世界を組み変える力は、どこから生まれ来るのか。影を宿しながら光に向いて進む、就活大学生の自意識をリアルにあぶりだす、書下ろし長編小説。

朝井リョウ 『何者』 読了。
第148回直木賞受賞作。

ウン知ってたよ~だってみんな「スゴイよ」って言ってたもん。

確かに凄かった。これは面白いわ。

桐島の時で現役大学生でしょう?で、今24歳とかでしょう?この人。
すごいわ。30になったときどんなものが出てくるのか怖いわ。
平成生まれ、こわい!!プルプル。

もう、タイトルページめくってすぐの
人物紹介(Twitterプロフ)のとこだけでめちゃくちゃウケたからね。
巧いなあ、って。SNSやってるひとなら、ここ見ただけで
「ああ、この本は面白いな」ってわかるよね。(+生ぬるい笑み)
この時点でわたし寒気がするほど理香と隆良がキライだったからねwww

身近にいる平成生まれの子や大学生の子を見ていて、
いつもいつも「今の若い子は大変だなあ・・・・」って思ってるんだけど
そのギスギスした雰囲気というか、息苦しさ、生き辛さっていう
“今”の空気をたった6人(+α)の登場人物だけで具現化してる。

私が大学生の時は「不況だ不況だ氷河期だ」って言われつつも
みんなそこまで切羽詰ってなかったし、世相もまだのんびりしていて、

「やりたいことよくわかんないからしばらくプー(フリーター)やる~」とか
「ちょっと留学してくる~」とか
「働きたくないし、彼氏説得して結婚する~」とか
「親のコネで大手いけそうだけど、あんまり頑張る気ないし
 旦那つかまえたら辞めるわ~」とか、

そんな子いっぱいいたし、それを人前で言っても大丈夫な雰囲気があったよ。
もちろんそれを「バカじゃないの、いつまでも甘えて。後で痛い目みるよ」って
冷めた目で見る、リクルートスーツでガツガツ就活してる同級生もいたけど。
今の子はどうかすると親の将来(年金とか介護とか)のことまで
見据えて就活してたりするからな・・・
時代が変わった、としか言いようがないよ。(もちろんどの時代でも個人差はあるが)


ただ、登場する大学生たちの、将来とか人生とかに対するドライさと裏腹に、
人間関係(繋がり)とか、人間そのものに対する理想が高すぎるというか、
わたしから見ると“キレイごと”を平気で口にしたり、
その理屈でもって友達を謗ったりするアンバランスさがちょっと気になった。

ハタチそこそこじゃ「友達だけど、なんかもにょる」なんてこといくらでもあるし
裏アカウント探して、本アカとの落差を憐れんだり、
最終面接まで行って落ちてしまった友達を慰めつつホッとしたりとかさ、
そんなの人としてめちゃくちゃ普通じゃない???
そんな自分に罪悪感を覚えられたり、あげつらって謗られたりしても、
いまいち共感できないんだよね。

もっとも、この“共感できなさ”を含めて、作者が“表現したかったこと”
だという気がするので(サワ先輩というキャラを出した理由を考えるとそう思う)
やはり巧すぎる、と思う。

あとやっぱりわたし、隆良みたいな典型的なワナビが死ぬほど嫌いなんだなって
ものすごく実感したよ。隆良の台詞すべてに吐き気を覚えたねww
おまえの夢も頭の中(だけ)の傑作も、心底どうでもいいわ。
リアルでもネットでも、なんで「誰もお前に興味ねえよ」ってタイプの人間に限って
自分のことをやたら具体的にベラベラ語ってくるのだろうか・・・。
押し売り自己愛、うんざりでーす\(^o^)/


Amazzonのレビューも賛否両論で、読んでいてなかなか楽しい。
5年後10年後に読み返したらまた面白いと思うんだが、
これはやっぱり“今”読むべき小説だと思う。


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