吉野万理子 『連れ猫』

連れ猫

ふたつの「孤独」を理解したとき、ヒトは孤独から解放される――。ソリチュードとロンリネス。貰われる先々で二匹は、寂しさで破裂しそうなヒトという生き物を見つめる。恋人に暴力をふるうDV男、好きでもない男と契約結婚する女……。孤独の深淵に落ちないために自分を偽って生きる人もいれば、ひとりですっくと立って生きられる人もいる――二つの「孤独」から生きる真理を問いかける、長編小説。

大晦日・積み本トライアスロン2冊目。
吉野万理子 『連れ猫』読了。

あらすじや猫のネーミングから身構えていたほど寂しい話ではなかった。
人間視点と猫視点がその都度切り替わるのだが
人間側は“寂しいから”という理由で自分の身勝手を正当化するような人物が多くて、
感情移入しにくく、終始猫が不憫。

2匹の猫の最初の飼い主であるDVクズ男が天下一品のクズで、
こやつのクズっぷりが光りすぎて、どのシーンを読んでいても
「もうこいつ一生孤独に苦しめられて仕事もなくなって野たれ死ねばいいww」
とこやつを呪うのに忙しかった・・・。

血が繋がっていても、家族でも、愛していても人間は孤独。
それでもつながりを求めずにはいられない人間と、
どこか達観した猫の対比が読ませる。

心が温まる、からりと明るい話を求めてる人には不向きだが
じわじわと沁みる、いい小説だった。


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