ケヴィン・ブロックマイヤー 『第七階層からの眺め』

第七階層からの眺め

宇宙船を降りてシリウスで休暇を過ごしていた“ケプティン”はある日、ペットのトリブルを連れた婦人に出会い、ゆきずりの恋がいつしか…。チェーホフの傑作短篇をスター・トレック風にアレンジした「トリブルを連れた奥さん」をはじめ、子供向けゲームブックの形式を使って、人間の最後の一日をたどる「“アドベンチャーゲームブック”ルーブ・ゴールドバーグ・マシンである人間の魂」、宇宙から来た“実在”と島で暮らす孤独な女性の交流を綴る表題作「第七階層からの眺め」など、SF、ラブストーリー、コミック、ファンタジーの要素を駆使しながらジャンルの枠にとらわれることなく、多彩な手法で人間のいとなみを描ききった13の滋味あふれる物語。アメリカのイタロ・カルヴィーノと称され、『終わりの街の終わり』で絶賛を浴びた若手作家、待望の傑作短篇集。

ケヴィン・ブロックマイヤー 『第七階層からの眺め』読了。
(原題:THE VIEW FROM THE SEVENTH LAYER  訳:金子ゆき子)

前から思ってたんだけど“アメリカのイタロ・カルヴィーノ”とかね、
こういうの誰が言いだして誰が広めるんだろうね???

まず一番最初の「千羽のインコのざわめきで終わる物語」で
ガツンとやられました。

かつて、そこに住むすべての人々に歌の才能がある街があった。
(中略)
始業ベルを待っている子供たちはグループごとに最新のポップソングの一説を歌い、重なり合う歌声できれいな綿菓子のごときものをつくった。旧友の通夜や退職記念パーティで久方ぶりの再会を果たした老人たちは、若かりしころ、魂をつかんで体の外へと連れ出すものは歌だけだと信じていたころに覚えたメロディーを、ともに歌った。
(中略)
 この街に、口のきけない男がひとり住んでいた。そこかしこに満ちている壮大な歌声に参加することのできない唯一の人間だった。  (p008-009)

これね、ここだけ読んでも「キタコレ(・∀・)」って思うでしょう?
面白くないわけないでしょう?

SFもラブストーリーもファンタジィも全部ぶっこんだ短編集で、
正直「これはあんまり・・・」っていう話もなくはなかったんだけど
これは個人的な好みの問題だし、とにかく導入部分の
読者を一瞬でその世界へ、その物語へ没頭させる手腕がすごい。

「千羽のインコのざわめきで終わる物語」
「静寂の年」
「瞳孔にマッチ棒の頭サイズの映像が含まれている物語」
「ポケットからあふれてくる白い紙切れの物語」
が特に好き。


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