西加奈子 『円卓』

円卓 (文春文庫)

公団住宅で三つ子の姉と、両親、祖父母に愛されて暮らす「こっこ」こと渦原琴子は、口が悪く、偏屈で硬派な、孤独に憧れる小学三年生。こっこの日常は、不満と問題と驚きと発見に満ちている。世間の価値観に立ち止まり、悩み考え成長する姿を、活きのいい言葉でユーモラスに温かく描く。光溢れる感動傑作。

西加奈子 『円卓』読了。

ミラクルである。


子供とはかくも不可思議で得体の知れない生き物であったか。
自分もかつて子供だったくせに、すっかり忘れて生きていた。

主人公:渦原琴子。通称こっこ、小学三年生。
ものもらい(と眼帯)に憧れ、担任教師には「うるさいぼけ」と暴言を吐き、
騒々しい大家族の中で孤独を愛する狼藉者の八歳児こっこ。

こっこの見る世界、自分と世間との間にある不可思議な壁のようなもの、
未知のものとの遭遇、不安、驚き、不満、怒り、疑問は
かつて子供だった自分も感じ、通り過ぎてきたものだ。
遠い昔に置いてきたそれらが、こっこを通じ、
長い時間をひらりと飛び越え「おっす」とばかりに胸を叩く。

“子供”という限られた時間を全力で疾走するこっこが眩しく、とてつもなくいとおしい。



三つ子が、こっこのジャポニカ(ノート)を見るくだりが
ツボに入って死ぬほど笑った。あと1週間はこれで笑える。
西さんの本では『きりこについて』が一番好きだったけどこれもお気に入りになった。


0 コメント:

コメントを投稿