松田青子 『スタッキング可能』

スタッキング可能


さあみなさまご一緒にご唱和ください。

「ウォータープルーフ嘘ばっかり!」

松田青子 『スタッキング可能』読了。

軽妙でテンポよく繰り出される細かいエピソードがいちいちツボるw
読んでいて、少なくとも5回は素で噴いた。
こういう楽しみ方でいいんだろうか、この小説は。

ただ、この面白さはわたしが著者と同世代の女性であるところに起因していると思う。
例えばね、OL2人がソーシャルネットワークについて話してるシーンでね、

「今のご時世、ミクシィとかフェイスブックやってない人の方が絶対モテますよね。見たくないですよね、そういうの」
「うん、私、好きな人がブログやってるだけでやだ。えらそうに映画とか本の感想書いてると思っただけで鳥肌がたつ」
「そうなんですよ!だからこれは逆もまた真なりだと思ってですね、わたし絶対加瀬亮とか西島秀俊とか松田翔太のコミュニティ入るのやめようと思って!てゆうか、これからは退会ですよ、退会!ソーシャルネットワークに縛られない自由な女を目指しますよ私は!」  (p32)

この“加瀬亮とか西島英俊とか松田翔太のコミュニティ”ってとこで
わたしは噴いたんですけど、この感覚の共有ってちょっと難易度高くないスか。
「あ~そうそう、あと大森南朋とかもダメだよなww」って即座に反応できるのは
アラサーアラフォーの女性がほとんどじゃなかろうか。

ちなみに、この会話の前に“コンパでいい感じになった人とマイミクになったら
入ってるコミュニティが宮崎あおい、青井優、麻生久美子とかで頑張る気なくなった”
というエピソードが入ります。

※念のため解説しとくと、ここに挙げられた男性芸能人が好き!と
明言する女性は男性ウケが悪い=つまりモテねえ、という例えなのですこれは。
もちろん「え、なんで?松田翔太かっこいいじゃん」という男性もいますし、
どちらかというとこれは「こういう男が好きなあたしたちモテないよな」
っていう自虐ネタに近いのかな。

あとオダギリジョーやARATAも“サブカル好き女(自称含む)”と
見なされがちなのでダメらしいですぞ。(⊃д⊂)


ええと。
そういうわけでわたしはとても面白く読んだし新しい文芸だな~って思ったけど
これは別に小説でやらなくてもいいのでは?と思う人も多いんじゃないか。

例えば能町みね子や紙山犬子とかジェーン・スーみたいな、
センスのいい自虐ネタとかあるあるエピソードを
絶妙の言語センスで書く女性エッセイストやコラムニストと
同じテンションなので、別に小説でなくてもいいじゃん、と。
あと『臨死!江古田ちゃん』とか『アラサーちゃん』とかもね。

面白かったけど読む人を選ぶ作風かな。
あと「マーガレットは植える」は何を狙ったのかよくわからなかった。

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