サルマン・ラシュディ 『ハルーンとお話の海』

ハルーンとお話の海

王国一の語り部ラシード・カーリファとその息子ハルーン。ある日突然、物語る力を失った父のために、ハルーンはお話の力を司る「オハナシー」の月へ、水の精モシモとともに旅立つ。一方オハナシーでは、シタキリ団の教祖イッカンノオワリが闇の世界を支配し、「お話の海」を死滅させようと企んでいた…。「言葉の力」こそが世界を救う。『真夜中の子供たち』の著者が、自らの思いを込めて綴ったファンタジー。

サルマン・ラシュディ 『ハルーンとお話の海』読了。
(原題:HAROUN AND THE SEA STORIES)

かの有名な(とか言ってもわたし読んでないんですが(・ω・;)
『悪魔の詩』がイスラム教への冒涜とみなされ、命を狙われたラシュディが
潜伏生活の中で、幼い息子のために書いたものだそうです。
『悪魔の詩』の日本語翻訳を担当された方が殺害された事件もありましたし、
作者本人となれば相当に身の危険を感じることもあったのではないでしょうか。

そんな中で書かれたこのお話、これが底抜けに明るく夢があって、
ほんとにド直球の冒険物語であり、主人公の成長物語。
冒頭、ハルーン少年を襲う数々の苦難はなかなかハードでもあり
お話の中で繰り返される主義主張のようなものも、
当時のラシュディが置かれた状況を反映しているような気がします。

人物や土地の名前に固有名詞が多く使われており、
訳者あとがきからも翻訳者の相当な苦労が見て取れますが(笑)
「イッカンノオワリ」とか「ピーチク王子」「パーチク姫」とか
カタカナのダジャレっぽい語感はなんとなく寺村輝夫を彷彿とさせますw


物語はどこから生まれるんだろう。
どうして冒険の終わりはハッピーエンドなんだろう。

子供の頃、一度でもそんなことを考えたことがある人にはぜひオススメしたい。

それにしても、庭師のトトノエール老人かっこよすぎるんですけど。
なんだこいつ。


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